2009年5月16日 (土)

ヴァンパイア小噺

103 今月の画像:水もしたたるいい神父

 お久しぶりでございます。
 GWは茶室に入り浸る日々でございましたが、近頃は手書きブログの方にイラストを描いたりデルアーを愛する方々と交流したり。
 下の子も小学校へ通うようになり、学校やPTAやら町内会、子供会やらのスケジュールでカレンダーが埋められ、学校から渡されたプリント類は掲示板に収まりきらず冷蔵庫にもベタベタ貼り付けてあります。
 いや~甘かった。ちっとも楽にならねえw

 あ、それとうちには加藤清正(ハムスターだけど)とアレクサンダー大王(金魚だけど)がいます。
 こないだ息子が「ハムスターは虫じゃないよ」と言うのを聞いて、えー虫じゃねえの?と思いました。小さいし、ビービー威嚇するし。子供が寝静まった真っ暗な部屋でカシャカシャ車輪回してるし。
 名前は戦国武将ファンの上の息子がつけたんですが、小学生男子が二人してとろけそうな顔で「キヨマサ~キヨマサ~」と甘ったるい声を出してかいがいしく世話をしています。
 金魚は去年からいて、ずっと金魚と呼んでたんですけど、息子が名前をつけてくれとうるさいのでサバトのわらすぼ大王にちなんでアレクサンダーと名付けました。でも金魚って呼んでます。
 で、うちには猫もいるんだな、これが。金魚には目もくれないけどハムスターには興味がある模様。がんばれ清正。
 
 
 ◆

 今回は告知がてらの更新です。

 デルアー教総本山、UndermineがサーバーのHPサービス終了の為、消滅しました。
 まさに少佐に消されたアーカード。でもご安心を。3,424,867の亡者を殺し(お引っ越し的な意味で)無事復活しました。
 デルアーの女神様は決して信者をお見捨てにはなりません。右のリンクから移転先へどうぞ。

 気鋭のデルアー作家さんを2人ご紹介。

 ブログUnder The Yogurtのfischさん。
 ほのぼの短編ありホラー中編ありで、生まれてからまだ二か月という若い神父と吸血鬼から目が離せません!
 手ブロではイラスト(もちもち美人のアーがたまらんどす)も描かれてます。

 オフで同人活動をされているESCUALOの櫻庭 裕子さん。
 知的で男前な神父とクールで可愛い美形吸血鬼がラブラブなコメディや神父の少年時代、少年マクスウェルとアンデルセン先生のシリアスなストーリーなどが、同人誌で読めるなんてお母さんはもう涙が止まりません。
 ネットでは手ブロで美麗なイラストが見られます。今お友達申請すれば、同人誌を通販で購入も可能だ、デルアースキーは迷わずGO!

 私の知る限り、デルアーで同人誌を出してる方は彼女だけです。もし、実は私も…という方がいらっしゃれば、是非プロフィールのメールフォームでご一報下され。
 
 

 リンク修正にともない、内容も変更しました。
 上のリンクはHELLSING 関連。リンク2は上の二つを除き、mixiのマイミクさん(私の方が一方的にファンで別に知り合いという訳ではない方も含まれてます)のサイトです。特に「町山智浩のアメリカ映画特電」は映画好きさんに超オススメ。

 以前このブログで紹介したロシアのアーティスト、高音王子VITASの日本公式サイトが出来ました。VITASの来日公演に一歩前進。
 mixiのVITASコミュで、ファンの方々と公式サイトのトップ画像やデザインを決める過程でワイワイ意見を言い合ったり、VITASに歌って欲しい日本の歌を投票したり。オフィシャルサイト設立に関われて楽しゅうございました♪
 最近は「どや?」顔でニコニコ動画でも人気者のVITAS。知ってる人も知らない人も是非サイトを覗いてみて下さい!

 ◆

 アメリカのドキュメンタリー映画「Jesus Camp」※

 ニコニコ動画(本編字幕付)http://www.nicovideo.jp/watch/sm2128376

 ブッシュ政権下、小学生低学年くらいの子供たちを集めて行われるキリスト教原理主義者(※※勘違いしている人が多いようですがカトリックではありません)による洗脳キャンプ。
 彼等は小さな子供たちに、異教徒は敵でありキリスト教と国家を守る戦士にならねばならない、これは戦争なのだという教えを叩きこむ。

 全米で急激に信者数を増やし成長している福音派の人々にとって、ブッシュが始めた戦争の意義は、アーカードが人間だった頃の戦争と何も変わるところがない。大人たちは進化論を否定するが故に子供に学校教育を受けさせないし、闘いによって真のアメリカを取り戻す必要を訴え、神は降りてくると信じている。
 教会では「魔法使いは神の敵だ!ハリー・ポッターに死を!」と大人も子供も声を合わせて叫ぶ。そこには異教徒や無宗教者に対する寛容や慈悲はない。まるで13課養成所だ。
 我々日本人には偏った思想や宗教観を子供に押し付けるなど狂気の沙汰に思えるが…

 アンデルセン神父が孤児院で子供たちに教えているのはこういう事だ。
 彼は子供たちにとって単なる優しい父親的存在なのではない。化け物専門の戦闘屋は裏の顔だが、表の顔は綺麗だと言えるだろうか。
 子供たちに対する愛や信念に基づく行為でも、それ故に正しいと言えるのかどうか、更には国家や宗教、所属するコミュニティを守るとはどういうことなのか、深く考えさせられますね。 
 あー、動画に子マクみたいな少年が出ていて気を取られました。すんません。

 ※画面が真っ黒で動画が見られない場合はリロードしてみて下さい。

 ※※ カトリック原理主義という(俳優のメル・ギブソンが教祖)一派もありますが、ヴァチカンには認められていない異端だそうです。

 ◆

 性懲りもなく、また小説を書いてみたおw

30235175_2284371941

 『 吸血鬼の餞別 』

 ある吸血鬼が取り返しのつかない失敗をしてほとほと生きていくのが嫌になったから殺して欲しいと知りあいの吸血鬼に言った。

「もうお袋の顔も覚えちゃいないが、あれは俺がかつては人で、人間の女の腹から生まれたと信じられる唯一つのよすがだった」

「失くしたのか」

「いや、ちゃんとある。どこへ引っ越すにも必ず持っていったし、棲家が運悪く火事になっても焼けたりしないように設置場所にも十分注意を払ってた。空き巣が入ったってあんなもの持っていく奴はいないだろうが、それでも留守中は鉄の鎖で柱に括りつけて南京錠をかけておいたんだ」

「何があった」

「土がさ、腐っちまった。いや、それでも土は土だ。例え黴が生えて糸を引こうが酷い臭いがしようが、その上に寝られない事はない。泥から滲み出した汚水でシャツが濡れて体に張り付くのは不快で仕方がなかったが、眠っちまえば関係ない」

「では何が問題なのだ」

「留守中に大雨が降ってな…、世間じゃ異常気象だと騒いでたが実際あんな集中豪雨に見舞われるような土地じゃなかったから油断してた。それで地下室が膝上まで水浸しになってな。帰ってからもなかなか水が退かなくて…あんな事になるなんて夢にも思わなかった」

「………」

「棺桶の中は泥水でいっぱいだ。手のつけようがない」

「面倒なことになったな。故郷は遠いのか」

「日干しして生まれた土地の土を入れれば、問題ないってか?」

「普通はそうする」

「何で腐った土のベッドなんぞに我慢して寝てたと思うんだ。そりゃ俺の生まれ故郷は思いっきり遠いさ。地続きですらない。だけど土が手に入るものなら金なんぞ幾らだって惜しくはないし、自分で行って掘り返せなくたって誰かを雇えばいいんだから」

「何故そうしない」

「…あんたTV見るかね」

「見るよ」

「たまに俺の故郷がTVに映る」

「ほう」

「国を出た時は、あんな大都会になるとは想像もつかなかった。高層ビルがドカドカ建ってビルが生えてない所はアスファルトの上を車が汚染物質を撒き散らしながら走っている」

「土が剥き出しになってる場所が全然ない訳ではなかろう?地面を掘っくり返してある工事現場なぞ幾らでもあるんじゃないのか」

「アスファルトの道を挟んで両側に畑があるとするだろう」

「何の話だ」

「真昼間に左の畑から右の畑へモグラがどう移動するか知ってるか」

「いや知らんね」

「道の下を掘り進めば眩しい陽に晒されなくてすむ。なのにモグラは穴を出てアスファルトの上を横切るんだ。大慌てで」

「ほう。何故だろう」

「アスファルトの下にあるのは、もう土なんて代物じゃないからだ。岩のように押し固められた何かだ」

「大袈裟な。アスファルトの下に根をはって出てくる草木もあるじゃないか」

「植物には哺乳類のようなデリカシーはないんだ」

「哺乳類か?我々が」

「元々はな。とにかく、あれは駄目だ。ビルの下の地面だって他所からダンプが運んできた土や砂利で出来ている。俺も一度は人を使って運ばせたんだ。なるべく深い所まで掘られた土でなけりゃ駄目だと言ったのに、空き地や公園やそこらの地面を適当に掘った土だった」

「その土は違ったんだな。気の毒に」

「どっちにしろ、あそこにはもう俺の故郷はない。あんな所は俺の故郷じゃない。…中世以来時が止まったようなド田舎が俺の故郷だったら良かったのに」

「今更そんな話に同情する吸血鬼はいないぞ。おたくだけが取り残されてる訳じゃなし、嘆いたって始まらないだろう」

「…とにかく、そういう訳だ。土が入ってない棺桶で寝ていればいずれ人間をかどわかす程度の能力も失うだろう。いや、もう術がかからなくなってきてる」

「………」

「いなくなっても世間が騒がない人間を選んで、と言っても殺す訳でなく、しかも注射針で血を抜いてずっと飢えをしのいで来た。だからあんたにも見逃して貰えた。術が使えなければ襲うしかないが、それをすれば身の破滅だ」

「………」

「一週間前に隣の犬を襲って殺したよ。犬や猫が捕まらなければ鼠や爬虫類の血を吸う事になるだろう。そんなのが吸血鬼と呼べるか?俺にだって誇りはあるんだ」

「…おかしな奴だ。人間を襲って血を吸えば俺がすぐ殺してやるのに。最後に本能のままに血をすすれるなら本望だろうに」

「うん。それも考えてみたんだがね…昔の俺ならそうしただろうが…きっとやり損ねる、そんな気がしてな。あいつらの目を見たら多分駄目だ」

「随分と弱気になったものだな」

「そうじゃないよ。あんたには解る筈だ」

「どうかな」

「解るさ。あんたは人間が好きだろう。俺もだよ」

「そうか。わかった、では殺そう」

「あっさりしてるな、あんたは。…ちょっと待ってくれ。ご近所に引越しの挨拶をしてこないと…心配させたら悪いからな。すぐ戻るから待っててくれ」

「やれやれ……」

 ・

 ・

 ・

「待たせてすまん、思ったより手間取っちまった。引っ越し先とか色々聞かれたり何やら土産を持たせられたりしてな…」

「…なんだ、泣いてるのか」

「うん、別れは辛いものだろう?近所のお喋りな奥さんに綺麗な娘がいてさ、それはもう、見るだけで甘美な血の味が口の中に湧いてくるような、清純ないい子でさ。その子が泣いてくれたんだぜ?チェスのライバルだった爺さんなんぞ、ガッカリして今すぐ死にそうだった」

「…今日はやめておくか?」

「いや、決めたら早い方がいい。餓えてご近所に迷惑をかける前に死にたいんだ。お前も忙しいだろうから、さっさと済ませてくれ」

「…なあ、お前が故郷に引越せば問題は解決するんじゃないか?」

「無理だよ、昔は船で長旅も出来たが今はその体力がない」

「それはろくに血を飲んでないからだろう。医療用の血液パックでよけりゃ俺のを分けてやるぞ」

「ふふ…殺し屋に引きとめられるとは思ってもみなかったよ。何で俺を生き延びさせてくれようとするんだい」

「………」

「俺が体力のあるうちに故郷へ帰ることを考えなかったのはさ、好きな人間がここにいるからだ。どうせ別れるなら死ぬのも引っ越すのも同じか?違うさ。俺は寂しいのが嫌いなんだ」

「そうか」

「…もしかして、あんたが親身になってくれたのは、あんたも…」

「わかった。ならば祈れ。もしかしたら天国の門が開くかもしれん」

「…ああ、だといいが。心臓はここだ。しっかり狙って撃ってくれよ、苦しいのはご免だ」

「安心しろ。一発で終わらせる」

「有難うよ、あんたはいい人だ」

「俺は人でなしさ…」

 銃声に驚いた近所の人々が駆け付けた時には家の中には誰もおらず、居間のテーブルの上には友人達それぞれの名前が書かれた手紙の封書と小箱に入ったプレゼントが置かれていた。
近所の人々は、後々夕方になってからしか顔を出さない奇妙な友人の悪戯を思い出しては顔を寄せ合って微笑みあったということだ。

 ※挿絵はメソさんが描いてくれました

| | コメント (2) | トラックバック (0)

«801